フィリピンで出産をする女性や、妻や彼女が妊娠したという人であれば、フィリピンの出産がいくらかかるのか、と気になる人も多いと思います。
出産方法や出産する病院によってかなり異なる、というのが回答ですが、これでは参考にならないため、私の妻の出産時にかかった費用を例として紹介します。
フィリピンで出産を考えている人はぜひ参考にしてくださいね。
フィリピンダバオの病院でかかった費用は〇〇万円!
私は現在、フィリピンのダバオに住んでいます。妻は通常出産を望んでいましたが、複数の理由のため、帝王切開(フィリピンではCSといいます)で出産しました。公立病院と私立病院がありますが、今回は私立病院を利用しています。グレードとしては、そこまでハイクラスではない、中間レベルの私立病院です。
この病院で、コロナがまだまだ猛威を振るっている2021年6月に出産しました。
気になる合計金額は、
妻に対する諸経費 41,431ペソ
妻に対するドクター費 49,600ペソ
赤ちゃんに対する諸経費 10,095ペソ
赤ちゃんに対するドクター費 3,860ペソ
計 104,986ペソ でした。
また、妻はフィリピンの公的保険であるフィルヘルスに加入していたため、実際の申請料金は以下です。
妻に対する諸経費 30,031ペソ
妻に対するドクター費 42,000ペソ
赤ちゃんに対する諸経費 7,645ペソ
赤ちゃんに対するドクター費 3,360ペソ
計 83,036ペソ でした。フィルヘルスのおかげで、約20,000ペソ(約20%)ほど安くなっています。
これに加え、事前のPCRテスト費が3,300ペソ、レシート以外で支払った各種(依頼されて買いに行った薬代や、手術時に使った特別な薬代?)費用4,000ペソ程度です。
ということで、合計では約90,000ペソで、帝王切開による出産を無事に完了することができました。
日本円でいうと、約21万円ほどでしょうか。
日本では国民保険に入っていれば出産費用はほぼ無料になるため、それと比べると安くはない値段ですが、コロナ禍で最大20万ペソほど覚悟していたため、思っていたよりも安くついたなという印象です。ただ、日本では医療保険加入で無料と考えると、やはり痛い出費には間違いないですね。
フィリピンの出産する際の注意事項
フィリピンで出産をする場合には、日本とは異なるさまざまなルールが適用されます。これは病院にもよるとは思いますが、私が感じた注意事項について紹介します。
出産6時間後に赤ちゃんがやってくる
帝王切開で出産し、感覚が戻らない中で妻が病室に戻ってくるわけですが、出産から6時間後には赤ちゃんが病室に届けられます。そのため、その後はすぐに母親と付き添い人が赤ちゃんケアをすることになります。看護師さんは何も教えてくれないので、出産後にどうすればよいか、しっかりと調べておくことをお勧めします。(もちろん看護師さんに質問すれば教えてくれます)
母乳が出ない場合、赤ちゃんの食事はない
出産後に母乳による食事がスタートするわけですが、多くのママはすぐに母乳がでません。しかし、フィリピンでは赤ちゃんは母乳が一番という強い考えがあるため、母乳を与えることのみ指示されます。でも出ません。そして赤ちゃんは泣きます。
実際、生まれたばかりの赤ちゃんには栄養がしっかりと残っているため、母乳が飲めなくても大丈夫なようですが、ただ、母乳をほしがって泣く赤ちゃんをケアし続けるのはなかなか大変。特に、母乳が出ない妻からすると、とても苦しい時間です。
CSでも入院期間は3日間が基準
フィリピンの出産にかかる日数は、通常出産で2日、帝王切開で3日です。帝王切開はお腹を切っているのですが、それでも3日で退院というものすごいスピード感。ただ、妻も3日目には自力で歩けるようにもなっており、痛みもそこまで強くないという状態まで回復していました。ただ、日本の帝王切開のスケジュールとは大きく異なりますので、ここにも注意が必要です。
看護師や医師は、ケアはしてくれるが教育はしてくれない
これは特に覚えておいてほしいのですが、看護師や医師は、いろいろとケアはしてくれるのですが、ハウツーについてはほとんど教えてくれません。たとえば、ミルクを与えるときには〇〇に注意してね、このポジションがいいよ、などはほとんどなく、実際に赤ちゃんを抱え、処置を済ませ、すぐにいなくなる、という感じでした。
そのため、その後は見よう見まねで実施するか、もしくはわざわざナースステーションに出向き、都度手助けをお願いしなければなりませんでした。病院に電話は備え付けられているのですが、ナースステーションの番号も教えてくれず・・・
日本のサービスに慣れてしまっているため、フィリピンの病院サービスは少しそっけなく感じてしまいました。
病院退去時にお金を支払う必要がある
病院への支払いを全て終わらせないと、病室から退去はできません。後で払うというのは基本は無理だと思います。
特に現在はコロナ禍のため、病院から気軽に出ることはできません。病院内に設置されているATMからお金を下ろし、支払う必要があります。
そのため、日本円をペソに両替した後に支払いたい!などはなかなか厳しいです。大体の金額+αは、フィリピンの銀行か現金で持っておくようにしましょう。
出産にかかる費用は事前に教えてくれない
フィリピンの出産でかかる費用は、事前に受付に訪ねてもまったく教えてくれません。どのような対応になるのかで異なるからとのこと。そのため、大体の見通し金額を見積もることもできませんでした。幸い9万ペソで済んだため問題はなかったのですが、コロナ禍だからと30万ペソを申請される可能性もあったわけで、なかなかストレスでした。
病院によってはパッケージという、ある程度のセットが揃ったものもありますが、これにはドクター料金やその他細かいことなどが含まれておらず、最終料金を見積もることはできません。また、お金をがっぽりと取りたい病院であれば、年収などを提出し、そこから個人向けのプランを作成するというところもあります。これも怖いですね。
ということで、フィリピンで出産をする場合には、利用する病院がとても大切になります。周りからの評価を集めつつ、安心して利用できる病院を選ぶとよいでしょう。
フィルヘルスは2割負担ではなく、2割サポート
フィリピンの公的保険であるフィルヘルスに加入していれば、一定の補助を得られます。ただし、日本のように3割負担ではなく、2割のサポートが主な内容になります。また、私的な保険に入っていたり、会社が保険を適用していれば、さらなる割引を得られるということです。また、帝王切開は外科手術になるため、別途申請すればそちらでも多少の補助がおりるようです。出産前には入会している保険を確認しておくとよいでしょう。
終わりに
フィリピンでかかる出産費用について、ダバオの私立病院で出産した妻の事例をもとに紹介しました。いろいろと書きましたが、現在妻も赤ちゃんも元気でやっているため、安心しています。また、帝王切開もうまくやってくれたみたいで、妻のお腹の痛みもほとんどありません。
フィリピンでの出産は、おそらく日本人にとってはある程度ストレスになるかもしれませんが、事前に情報を集めることで、ある程度は耐えることができると思います(笑)。この記事がフィリピンで出産を考えている方の役に立つとうれしいです。