2019年12月15日(日)、フィリピンのミンダナオ島で、また大きな地震が発生しました。
12月16日 マグニチュード 6.8
ちなみにミンダナオ島では10月、非常に強い地震が3回発生しました。
10月16日 マグニチュード 6.4
10月19日 マグニチュード 6.6
10月31日 マグニチュード 6.5
マグニチュード6以上の地震が続いていることから、大きな地震が来るのではないかと不安を抱えている人も多くいるのが現状です。
また、震源地の近くでは、多くのけが人が出ています。残念ながら死者も出ました。
私が住むダバオは震源地から多少離れているため、今はすでに平穏が戻っていますが、油断はできない状況です。
本記事では、もしもの時に生き残るために、フィリピンの地震についての情報および地震が起きた際の対策について紹介します。
フィリピンにおける過去の地震
世界で過去に発生した地震に関しては、下記のサイトにて調べることができます。
エリアをミンダナオに設定して調べてみると、以下の情報を得ることができました。
統計の記録がある中で、ミンダナオ周辺で発生した最も大きな地震は、101年前に発生したマグニチュード8.3の地震のようです。
また、マグニチュード7.0を超える地震が、30回以上発生していることがわかります。
そう考えると、今回の地震発生は、気まぐれというわけではなく、十分に起こりうる地震であったということができます。また、さらに大きな地震が発生することもありえるということです。
ちなみに、下記の図は、世界の地震頻発地域です。
フィリピン海プレートという名前からもわかるように、フィリピン周辺には大きな地震が起こりうる断層があるため、フィリピンにおける地震は、避けては通れない問題なのです。
ちなみに、自然災害の発生率は、No.1が日本、No.2がフィリピンとも言われているほどです。
しかし、フィリピンにすむ日本人の中には、フィリピンが地震大国という事実を知らない人も多くいるのが現状です。フィリピンでは、地震が必然的に起こるということを、まずは理解することが重要でしょう。
フィリピン人と地震の関係
日本で暮らす人々にとって、地震は避けては通れないもの。地震が起こらないように願いながらも、地震に対する備えと起きたときの準備をします。日本人は、地震の反省から多くのことを学び、次の地震に備え、より強い強度の建物を開発しようとします。
その一方で、フィリピンに対する地震の見方は非常に複雑です。これには宗教が大きく関わっています。フィリピン人にとって自然災害は、イエス・キリストが引き起こしたもの、と考える説があるのです。
キリスト教の人々は、イエス・キリストが再度蘇ることを信じています。その際、自然災害が同時に起こると考えられているのです。
また、聖書では、悪さばかりしている人間に対し、神が罰を与えました。地球上のすべてのものを、大雨による洪水で洗い流してしまったのです。そう、かの有名なノアの方舟です。
つまりフィリピン人にとっては、大地震は、悪さをしている自分たちに対する天罰、もしくはイエス・キリストが蘇る兆候なのです(フィリピン人が全員このように考えるわけではありません)。
そのため、地震の発生はある程度は仕方がないことと考えるフィリピン人が多いのが現状です。神の意志であれば、それは受け入れるべきこと。そのため、地震は運命と捉え、地震への備えを行う人はほとんどいません。また、地震で大きな被害を受けたとしても、耐震強度がより強い建物を作ろうという考えもあまりありません。
しかし、最近では、命を守ることは当然大切であることから、一部の建物においては、非常に高い耐震強度になっています。しかし、それは本当に一部の建物だけ。高級コンドミニアムや有名な教会など。実際、日本では避難所としている学校やモールの耐震強度がフィリピンでは非常に弱く、崩壊により多くの人々がけがをしているのが実際です。
大きなコンドミニアムが倒壊しました。
フィリピンの地震で命を守るには
このように、フィリピン人の地震への捉え方は日本人と少し異なりますが、いざ地震が起きた際には、私たちは命を守らなければなりません。地震が起きた際の対応について説明します。
耐震強度が高い建物にいた場合
耐震強度が高い建物に偶然にもいた場合は、基本的には日本と同じように行動してください。地震が発生している間に動くことはさらなる危険をもたらしますので、近くに倒れてくるものや、頭上に落ちてくるものがないかを確認した後、頭を保護しながら待機してください。地震がおちついたら、走らず、周りに気を付けながら、おちついて屋外にでるようにしましょう。
下記に、ダバオの教会で行った避難訓練の動画を載せておきます。参考にしてください。
耐震強度の低い建物にいた場合
大きな地震が発生した場合、フィリピンの建物は崩壊する可能性があります。
天井がはがれて落ちてきたり、窓ガラスが割れて飛び散ってきたり、最悪の場合には、建物自体が崩れ、建物の下敷きになることもありえます。
そのため、揺れに注意しながら、早めに屋外にでることが1つの安全策になります。
しかし、揺れが大きい際には移動するは危険です。
状況を正しく理解したうえでどうするかを自分自身で決める必要があります。
最終的には自分の命は自分で守る必要があるということです。
ただ、何よりも頭を保護することが大切になるため、バックをもっている場合には、頭を守ることに心掛けてください。
ちなみに、私がよく読ませていただくブロガーさん曰く、フィリピンのコンクリートの強度は、日本の5分の1から10分の1程度ということです。(ご本人の許可を取って掲載しています)
そのため、たとえコンクリートの建物だとしても、容易に崩れる可能性があるのです。
これを知っておくかどうかで、緊急の場合の判断材料になるかと思いますので、フィリピンに住まれている人はぜひ覚えておいてください。コンクリートだから安全、は命取りです。
ちなみに、ミンダナオで発生した今回の地震、被災地では震度5、ダバオでは震度4だと言われています。それなのにこの被害…震度6以上が来たらどうなってしまうのか。。。
終わりに
フィリピンでは、地震が起きたときの対応が日本とは違います。また、日本のように安全に誘導してくれる人もいません。そのため、自分の命は自分で守る必要があることを覚えて置いてください。そのためにも、地震が起きたときの想定は、しっかりしておく必要があります。地震への備えとともに、いざ発生したときのシミュレーションをしっかりしておいてくださいね。
※命に関係する内容ですので、もしお知り合いでフィリピンに住まれている方がいましたら、ぜひ拡散していただけるとうれしいです。