不動産熱が一段落したフィリピンですが、2020年になっても、不動産が大きな注目を集めている場所があります。
それがフィリピン第3の都市と言われるダバオ。特に2016年以降の不動産価格の上昇は著しく、地元紙の情報では、毎年25~40%の上昇が見られるというのです(参照)。
2020年のコロナウイルスで大打撃を受けた不動産産業ですが、長期的な視点で見れば、ダバオのコンドミニアムは狙い目と言えるでしょう。
本記事では、ダバオでコンドミニアムを買う方法や注意点について紹介します。
ダバオでコンドミニアムを買う方法
ダバオでコンドミニアムを買う方法についてはいくつかの方法があります。典型的なものを紹介します。
ダバオの不動産業会社から購入する
まず、ダバオでコンドミニアムを購入するための典型的な方法が、ダバオの不動産会社から購入する方法です。
日本でも、住友不動産や三井不動産などの大手企業から、地元に強い不動産業まで、さまざまにあると思います。
ダバオでも、フィリピンの主要不動産であるアヤラ不動産やSM系列の不動産、地元に根付いた不動産などがあります。
このような不動産会社では、自社製品を中心に、数々の空き物件を所有しています。そのため、直接会社に出向いたり、会社のホームページやFacebookでチェックするなどして空き物件を探します。
購入に関しては、一括払いの他、さまざまな支払いプランが選べるのが特徴。例えば、10年ローンを組み、毎月支払いを行っていくなどのプランが選択可。
基本的には値段が固定化されており、その値段が妥当だと思えば購入を行います。基本的には不動産会社のルールに従って購入するため、大きな割り引きなどは期待できませんが、会社との契約になるため、信頼面では最もよいと言えるでしょう。
※これとは別に、フィリピンではプレセーリングでのコンドミニアム購入も人気です。プレセーリングについては後ほど説明します。
オーナーから直接購入する
不動産会社からではなく、すでにコンドミニアムを購入したオーナーから購入する方法です。例えば、海外への移住を考えているオーナーがコンドミニアムを売りたいと考えており、Facebookで買い手を募る、などがこれに当たります。
オーナーから直接購入することの魅力は、大きな価格交渉が可能な点です。例えば、急ぎでお金が必要なオーナーに出会った場合は、一括の支払いであれば、大きな割引価格で購入できる場合があります。また、支払い方法に関しても、両者が承諾すればオッケーなので、応用が利きます。
ただし、中には詐欺まがいの案件もあるため、オーナーと直接交渉をする場合にも、必ずコンドミニアムを取り扱っている不動産に仲介してもらうようにしましょう。例えば、契約を取り扱い不動産で行う、などであれば安全です。
エージェントの仲介を経て購入する
ダバオのコンドミニアム購入でよくあるパターンが、エージェント経由で交渉を行うものです。
例えば、不動産会社やオーナーが独自にエージェントを雇い、コンドミニアムの宣伝を依頼します。
システムとしては、これらのエージェントは、出来高制で働いていることがほとんどです。一定の価格でコンドミニアムを販売できたら、そのうちの数%をお礼として支払う、という感じですね。
フィリピンでは、SNS、とくにFacebookが人気ですので、SNSを活用したマーケティングは非常に効果的です。しかし、すべての問い合わせに対して不動産会社やオーナーが対応していては、人材が足りなくなってしまうので、仲介人(エージェント)を置き、対応を依頼している訳です。
エージェント経由で購入する良さは、非常に丁寧な接客が受けられる点です。エージェントはなんとかして成約を得ようとしますので、あなたの困りごとにもすべて答えてくれるでしょう。また、エージェントは介するものの、その後の流れは上記の購入方法と同じです。不動産会社もしくはオーナーと契約し、コンドミニアムを購入することになります。
その一方で、気をつける点として、通常購入するよりもコンドミニアムが高額になる可能性がある点です。例えば、オーナーはエージェントに支払うお金や+αを加えた値段を提示することも多々ありますので、少しでも安く買いたいと思う方にはおすすめできません。その一方で、フィリピンでの不動産購入になれていない方や、通常購入が難しいような狙い目物件を探しているような方にはおすすめの方法です(空きが出た瞬間に押えてくれるため)。
ダバオにおけるコンドミニアムのプレセーリング
フィリピンでは、コンドミニアムが完成前に売り出すプレセーリングが人気です。ダバオでも例外ではなく、コンドミニアム完成前のプレセーリングの時点で人気の部屋はすべて完売します。
しかし、フィリピン特有(?)の販売方式ですので、プレセーリングについてよくわかっていない方も多いかと思います。コンドミニアム購入に関するプレセーリングに関して説明します。
コンドミニアム購入に関するプレセーリングとは?
プレセーリングは、まだコンドミニアムが建っていない状態でコンドミニアムの販売を開始するパターンです。たとえば、2025年建設完了予定のコンドミニアムを、2021年から販売開始し、少しずつ支払いを済ませていくパターンです。
完成予定前からそんなに代替的に売り出してしまって大丈夫か?と思うこともありますが、これがフィリピンの主流。このプレセーリングに乗り遅れると、よい条件で物件が購入できなくなります。
プレセーリングのメリットとデメリットについても見ていきましょう。
プレセーリングのメリット
プレセーリングの一番のメリットは、比較的安価な値段で購入できること。たとえば、建設完了時には500万円の販売価格のコンドミニアムが、400万円などで買えたりします。
また、基本的にはプレセーリング開始時の土地価格を考慮して販売価格を決めるため、ダバオのような、地価価格がぐんぐん上昇しているようなエリアでは、大きなキャピタルゲインが狙えます。例えば、2021年から毎年10%地価が上がるようならば、2025年の時点では、1.1×1.1×1.1×1.1=1.46倍、つまり、コンドミニアムが完成した際に、1.5倍程度の値段になっていることも多々あるのです。ダバオのコンド価格向上は例年10%以上ですので、1.5倍は十分考えられる値です。
また、支払いの料金プランがいくつか準備されており、一括払いを選べば、総額の10%が割り引きされるなどのサービスもあります(不動産会社による)。5年程度で支払いを済ませるパターンが人気ですが、この期間ではあればローンのような利子は発生しません。
また、人気の部屋はプレセーリングでほぼ完売するため、条件のよい部屋を購入するためには、プレセーリングは必須です。南向きの部屋や角部屋、ロケーションが優れた部屋を買おうとすれば、プレセーリングの初期に購入する必要があるでしょう。
このように、ダバオでコンドミニアムを買う際には、プレセーリングをうまく活用することでよい物件を、安く購入できます。
プレセーリングのデメリット
プレセーリングには多くのメリットがある一方で、多くのデメリットがあるのも現状です。プレセーリングのデメリットも理解した上で購入を検討するようにしてください。
まず、購入前に実際の建物や部屋を見ることができません。このような感じ、という見本部屋は見ることができますが、あくまでも別の建物に作られた仮の部屋です。実際の目で見て購入したいという方にはおすすめできません。中には、立て付けが悪いコンドミニアムもあるようです。
次に、コンドミニアムの値段が上がるかどうかは、時代に大きく影響を受けると言うこと。ダバオでは2016年以降、大幅な値上がりが見られていますが、2020年以降にどうなるかはわかりません。特に、コロナによる打撃は大きく、コンドミニアムの主な購入者であった中国人たちが撤退した影響で、コンドミニアムの今後も読めなくなっています。
また、多くはありませんが、建設が途中で中止され、コンドミニアムが完成しないというパターンもあるようです。その場合、どのような対応がなされるのかは不動産会社次第ですので、信頼できる不動産会社を選ぶことが必須です。
支払いのシステムがわかりにくいという問題もあります。日本ではあまり見ない形式の契約のため、追加で取られる金額が一体何のためであるのか、なかなか理解できないことも多いです。
これらのデメリットも加味した上で、購入するかどうかを、慎重に決める必要があります。
ダバオで不動産を購入する際に気をつけること
最後に、ダバオで不動産を購入する際に気をつけることについて紹介します。
信頼できる不動産会社やオーナーを選ぶ
コンドミニアムの購入は非常に大きな買い物です。また、管理する不動産会社とは、長年にわたって連絡を取り合うことになります。相互の信頼は非常に大切ですので、信頼できる不動産会社を選びましょう。
支払い料金を計画的に準備する
ダバオでコンドミニアムを購入する場合、フィリピン通過であるフィリピンペソが必要になります。日本円から両替したり、フィリピンの銀行に送ったりなど、外貨の取り扱いに関する知識も必要です。昨今ではオンライン銀行を活用することで、スムーズに行えるようになってきていますが、為替ルートに関する知識は重要ですので、同時に勉強するとよいでしょう。
エージェントを介することで値段が上がることがある
エージェントを介することで、充実したサービスが受けられますが、その分値段は上がります。特に、日本の不動産サービスを利用する場合、すばらしいサービスを受けられる反面、販売価格も高くなる傾向にあります。サービスと料金をしっかりと見比べながら決定するのが大切です。
困ったときに相談できる信頼できるフィリピン人を確保しておく
コンドミニアムの購入には、さまざまな取引が必要になります。それを利用し、日本人をだまそうとする人も少なくありません。中には、日本人が日本人をだます、という事例もあるよう。高額の買い物の際には、しっかりとした知識を持った、信頼できるフィリピン人の存在が大切ですので、コンドミニアムを購入する際には、そのような人物を見つけておくとよいでしょう。
終わりに
今回は、ダバオでコンドミニアムを購入する際のポイントや注意点について紹介しました。おすすめの購入方法はプレセーリングですが、プレセーリングにはデメリットも多くありますので、慎重に決めるとよいでしょう。
もしダバオのコンドミニアム購入に関してお困りでしたら、私の経験も踏まえてサポートができると思いますので、ぜひ連絡ください。