ダバオへの移住を考えている人も多いようです。ダバオはフィリピンの中でも安全性が飛び抜けているため、フィリピンに移住したい、でもマニラやセブは治安が不安だ、という人の新しい選択肢になっているようです。
ちなみに私の友達は、ダバオで数日過ごしましたが、ここは本当にフィリピンなのか?と言って帰りました。フィリピンの危険なイメージが完全にくつがえったようです。ダバオはとても安全なため、移住には本当に適していると個人的には考えています。
しかしながら、ダバオにはメリットもあればデメリットもあります。ダバオへの移住を考えている場合に知っておくとよいだろう情報について以下にまとめました。ダバオへの移住を考えている人はぜひ参考にしてみてください。
ダバオへの移住を考える【安全面】
移住を考える際にまず重視するのは安全面ではないでしょうか?まずはダバオの安全面について紹介します。
ダバオは安全?危険?
世界中どこに行っても、100%安全な場所なんてありません。世界的に安全と言われている日本でも、日々事件が発生しています。
ダバオの安全性に関しては、基本的には安全と言えます。ダバオの安全性の詳細は別の記事で紹介していますが、世界的な調査機関がフィリピンで最も安全な都市、東南アジアでも2番目に安全な都市としてスコアを出しています。
私は現在、ダバオに来て4年ほど経ちます。1度だけジプニー(フィリピンの乗り物)でスリに遭いましたが、それ以外は危険と感じる場面に遭遇したことはありません。普通に生活している分には安全というのがダバオの印象です。安全性については安心していいと思います。ただ、より安全に生活したいのであれば、セキュリティの充実したコンドミニアムなどに住むとよいと思います。
詳しく知りたい方は以下の記事もお読みください。
犯罪などは少ないけれども交通事故は頻発
犯罪などの事例は少ないダバオですが、交通事故については頻発しています。マニラやセブほどではないにしろ、都心部では渋滞が発生しやすくなっているため、車がお互い先に先にと割り込み、それが原因で事故が起こるようです。スピードはそこまで出ていないため大けがにつながるような事故は少ないですが、車道脇を歩く際には十分注意が必要です。
また、もう一つ気をつけたいのが車の逆走やバイクの路線無視です。一方の道が渋滞している場合、マナーを守らない運転手が逆側の道路を逆走し始めることがあります。逆からは来ないだろうと決めつけていると逆走した車がすぐそばに!ということもあるため、注意が必要です。また、バイクが車間をぬって走ることがあります。横断歩道を渡っていると急にバイクがとびだしてくることもあるため、道路を横切る際には十分注意が必要です。
このあたりは慣れで何とかカバーできると思いますが、慣れる前に車にひかれないよう、注意したいところです。
ダバオの警察官はフィリピンでNo.1の信頼性を獲得!
街の治安を守る代表格と言えば警察官です。しかしながらフィリピンでは警察官の汚職問題やケンカによる発砲問題が多発。しかしダバオの警察はフィリピンの中でも最も良い仕事をこなしていると国から表彰されました(2021年)。基本的には、ダバオの警察官は信頼できるかと思います。
また、警察官と同様に多いのが政府関係者の汚職。ダバオ政府は政府の汚職や賄賂などを厳しく禁止しているため、基本的にはそのような自体はありません。他の地域ではお金を積めばすぐに対応してくれるという話も聞きますが、ダバオでは基本、これがありません。その分時間をかけて待つ必要はありますが、クリーンさに関しては信頼して良いかと思います。
地震と洪水には注意
治安面に関しては安全ですが、自然災害には注意が必要です。ダバオ付近には活断層があると考えられており、フィリピンの中でも頻繁に地震が発生する地域です。最近もマグニチュード6~7の地震が複数回発生し、大きな被害がでました。
地震と同様に気をつけたいのが水害です。大雨が降るとダバオ側付近や市内の複数箇所にて洪水が発生します。日本でも大雨が降ると道路が冠水したりしますが、そのような現象がそこそこ頻繁に発生します。そのため、住む家についてはしっかりと確認することが重要です。
一方で、台風の被害はほとんどありません。というのも、台風が発生する緯度はダバオと同じあたりです。台風はそこから徐々に北に向かうため、台風はほとんどきません。ただし、低気圧による大雨の影響は受けることが度々ありますので、天候には注意したいところです。
ダバオへの移住を考える【生活面】
続いて生活面について見ていきましょう。ここが合わない場合は、やはり移住は難しいです。個人の生活スタイルによっても変わってくると思うので、しっかりと検討してくださいね。
私生活に必要なものは購入できる?
ダバオには、いくつかのモールがあります。フィリピンで有名なSMの巨大モールも2つありますし、アヤラグループが運営するアブリーザモール、値段が安く若者に人気のGモールもあります。基本的にはこれらのモールに行けば必要なものは購入できます。
また、アブリーザにはダイソーと日本城という日本製品を販売しているお店があります。100均ショップの流れアイテムが88ペソ~99ペソあたりで売っています。またGモールのスーパーには日本製品が販売されており、品揃えも豊富になりつつあります。
これらでも見つからない場合は、フィリピンのネットショッピング「ラザダ」か「ショッピー」でオンライン購入することになります。
逆にいれば、上記で見つからないものは、フィリピンでは手に入らないと考えたほうがよいでしょう。日本は世界でも高品質の製品が低価格で購入できる国です。フィリピンに日本と同じクオリティを求めるのは難しいですので、時には妥協も必要となります。
食事はおいしい?まずい?
ダバオの食事に関しては賛否両論があります。私はダバオの食事で「まずい、食べられない」と感じたことはなく、毎日おいしい食事を楽しんでいます(ほとんど自炊ですが)。ただ、人によっては味付けが濃すぎる、ご飯がパサパサだ、野菜が少ない、と感じる人もいるようです。
私の場合、野菜は毎日の食事でしっかりとっていますし、ダバオのご飯も普通においしいです。味付け等についてはお店によって違うので、選ぶお店を間違えなければ問題なく食事を楽しめます。ただ、私は食通ではないので・・・食事の合う合わないは個人でチェックしたほうが良いかと思います。
衛生面は大丈夫?
フィリピンで困ることが多いのがこの衛生面ですね。日本は世界最高レベルのきれいさを保っている国なので、基本どこの国にいっても衛生面は気になるところですが、、、フィリピンはあまりよくないですね。
ダバオは街全体が汚いということはありません。街のきれいさに関してもフィリピントップレベルを維持しているので。ただ、衛生面があまりよくない住宅外に入っていったり、整備されていないところに行くと、やはり衛生面がイマイチに感じます。市役所周辺もかなり古くなっているため、衛生面は少し気になりますね。
また、衛生面で一番困るのがトイレだと思います。施設によりますが、日本人にとって受け入れられないトイレが多いです。特に女性は気をつけたほうがいいですね。男性であれば接触せずに用を足せますが、女性は少しスキルを要します。そのため、トイレについては事前に確認する、きれいだとわかっている場所のみを利用するなど、対策が必要です。
虫が入ってくると聞いたけど・・・?
フィリピンに住む日本人を悩ませている1つが虫です。蟻や蚊、ゴキブリ、クモ、その他もろもろがものすごい数住居に侵入してきます。ダバオも例外では無く、例えコンドミニアムに住んだとしても虫は入ってきます。私の場合は屋外からネズミがエアコンの隙間を通って毎晩侵入してきてしまい・・・これにはさすがに悩まされました。
虫に関しても、家の中を清潔に保つ、ゴミを毎日捨てる、気になる虫にターゲットを当てた製品を利用することなどである程度は防げます。ただし、それでもやはり虫は遊びに来ます。虫が本当にだめ、ゴキブリは見るだけで倒れてしまう!という人は、現時点ではダバオへの移住は諦めた方がいいかもしれません。
住居を選ぶ際は、以下のポイントも参考にしてみてください。
水はきれい?
ダバオの水は世界的に見てもきれいと言われており、世界でも数少ない水道水が飲める都市です。ただ、もともとの水はきれいな一方で、運ばれてくる過程で水道管の老朽化などで汚れてしまうこともあるようですが。。。でも水はきれいです。ただ、これはあくまでも、ドモイウォーターと呼ばれるダバオのメインである給水所に限ったことです。このドモイウォーターではないところから水を得ている地域の水はかなり汚いです。なので、ダバオの水はきれいだから大丈夫、と思わず、どの給水所から供給されている水なのかをしっかりと確認するとよいでしょう。
また、ダバオ市民の多くは、飲み水はウォーターサーバー用の水を購入しています。この水が大体20リットル程度で80円ほどで買えます。基本的にはウォーターサーバーの水であれば安全です。それでも不安であれば、市販のミネラルウォーター等を購入しましょう。
ダバオへの移住を考える【労働面】
日本で定年を迎え、年金をもらっている人であれば、その年金だけでも十分ダバオを満喫できるかと思います。(予算については後ほど)
しかし、ダバオで若くして移住してくる人は、ダバオで仕事を探す必要があります。しかしながら、ダバオでは、マニラやセブのように日系企業の進出が盛んではありません。そのため、ダバオで仕事を見つけることは簡単ではありません。もしくは、給料が極端に低いです。
ある程度金銭的に余裕がある場合や、日本からすでにリモートでできる仕事を獲得している場合、株や仮想通貨などに精通し確実に稼げる場合などは若くしての移住も大いにありだと思います。ただし、たまにネットが止まります。フィリピンはネットワークが安定しないことが多く、ここダバオも例外ではありません。場合によっては1週間ほどネットがスローになることもあるため、代替手段などは検討しておく必要があります。
ダバオに来たのだから会社勤めではなく、自分で会社を作ってしまおう!と思う方も多いと思います。ダバオは今後も成長が続くと考えられているため、可能性は大いにあると思います。ただし、現在、多くの人々がビジネスを始め、うまくいかずに店じまいをしています。地元のコミュニティを活用してもそのような結果になっています。そのため、ダバオでビジネスを始める場合には、関連する業種がうまくいっているかどうか、本当に可能性があるのか、地元民に受け入れられる何らかの特徴があるのか、根拠のある戦略はあるのかなど、緻密な計画を立てないとうまくいかない可能性のほうが大きいかもです。
ダバオでの労働に関しては、もちろん取得したビザも関係します。違法労働にならないように、ビザに関しても理解を深めておく必要があるでしょう。
ダバオへの移住を考える【予算面】
ではダバオへの移住はどれぐらいの予算があれば可能なのでしょうか?
生活費というのは人それぞれです。どれぐらいの食事レベル・住居レベルを求めるのか?趣味や遊びにどれぐらい費用を割くのか?移動はローカル手段?もしくはタクシー?さまざまなことから算出されますので、あくまでも参考にしてください。
私は一人で住んでいたときには、毎月3万ペソで生活していました。これは住居代や食事代、携帯利用料、ネットなどを全て含んだ金額です(ビザの費用は除く)。厳密に言えば、毎月2万5,000ペソ程度で生活し、貯まった5,000ペソで彼女(現在の妻)とお出かけする、という感じですね。
その後、結婚し、2人での生活が始まりました。当初は2人で4万ペソを予定していましたが、4万ペソも使うことはなく、毎月1万ペソほど余りがでてしまったため、3万5,000ペソに変更。これでも十分、安全で快適、健康な生活を送っています。コンドミニアムのプールで毎日泳ぎ、肉や魚介、野菜もたっぷり食べ、たまに高級レストランに食事に行く、という感じですね。
現在は赤ちゃんが生まれ、オムツ、ミルク、その他代で毎月1万5,000ペソ~2万ペソほどプラスのお金がかかるようになりました。ミルクが月5,000ペソ、オムツが月4,000ペソほどかかります。高いのが赤ちゃんの予防接種代ですね。日本であればすべて無料です。フィリピンも無料なのですが、無料の予防接種は質が低いとのことで・・・有料の予防接種をしていますが、毎月4000~8000ペソほどかかっています。これがなかなか痛いですが、まあ仕方ないですね。
ダバオへの移住を考える【エンタメ面】
フィリピン好きがダバオを移住先に選ばない理由の1つがこれではないでしょうか?これまで紹介したように、ダバオは安全面、生活レベルはフィリピンの中でもバツグンによく、住みやすさは群を抜いています。
しかしながら、治安を守るためにさまざまな厳しいルールが定められているため、エンタメ系は非常に弱いのが現状です。近くにあるサマル島ではきれいなビーチがたくさんありますが、沖縄のビーチに勝てるかと言えばそうでもなく。。。透き通った海が特徴のビーチに行ってみればサービスや施設がイマイチで。。。などなど、エンタメ系に関してはパーフェクトではないのがダバオの特徴。
深夜の飲酒も禁止されているため、夜中になればバーも閉まります。また、屋外でのアルコールも禁止のため、フェスティバルなどではお酒を飲みながら楽しむことは基本できません。
そのため、マニラやセブのように、パーッと遊びたいんだ!という人には刺激が少ない都市といえます。その一方で、派手なことでは無く、1日1日を静かに平和に暮らしたいんだ、という人には本当にぴったりです。
ダバオへの移住を考える【教育面】
ダバオは安全だから、という理由で、教育移住も増えています。日本でインターナショナルスクールに通わせると、月10万円以上するが、ダバオのインターナショナルスクールであれば月3万円程度で通わせられます。
学校をしっかりと選べば、ある程度きれいな施設で、英語のみによる教育が受けられます。ただし、学校選びを妥協してしまうと、インターナショナルスクールなのに現地語(ビサヤ語)のコミュニケーションがメインになったり、学校の質の低さにイライラしてしまったりすることもあるようです。
また、気をつける点として、インターナショナルスクールといっても、ダバオはフィリピンです。基本的にはフィリピンルールが適応されます。例えば、イベントのスケジュールが適当(前日にアナウンスがあるなど)、時間管理ができていない(集合時間に行ってもだれもいない)など、数多くのイライラポイントが発生するようです。
そのため、学校選びがとても重要です。また、フィリピンの学校文化を受け入れられるかどうかについても、事前にしっかりと確認しておくとよいでしょう。(イメージとして、学校に通う子供は楽しんでいるが、保護者が非常に振り回されている、という印象があります)
ダバオへの移住を考える【その他】
賛否両論のあるダバオへの移住ですが、移住者と話していると、ダバオはやはり魅力的な街なのだなと感じることが多々あります。
いきなりダバオに移住を決めてしまうのは、合う合わないがあるためおすすめしません。まずはダバオに数ヶ月滞在し、街の特徴を知るのが先決かと思います。
おわりに
今回は、ダバオへの移住を考えている人向けに、ダバオ移住のメリットやデメリットをさまざまな視点から検討しました。移住はさまざまな面を検討した上で決めることが重要です。私にとってダバオはよい都市ですが、みなさんにとって最適かはわかりません。
もしダバオへの移住に関してお困りのことがあれば、気軽に連絡をください。何でも屋はできませんが、本当に困っている方であれば、必要な情報の提供やサポートはできるかと思います。