フィリピンにあるダバオという都市をご存じですか?

 

フィリピンで最も治安のよい都市として有名なダバオ。

しかし、多くの人がフィリピンに抱く印象は「治安が悪い」だと思います。

 

なぜダバオはこのフィリピンにあって、治安のいい都市を維持できるのか、気になりませんか?

 

本記事では、フィリピンで最も治安のいいといわれるダバオについて徹底解説します!

 

 

ダバオがフィリピンで最も治安のよい都市といわれる理由【根拠あり】

ダバオがフィリピンで最も治安がよいといわれる理由の1つが、NUMBEOによるデータです。NUMBEOとは、世界中の都市や国々の生活情報を記録する世界最大の信頼性の高いデータベースで、都市の安全指数についても報告しています。

 

その中で、ダバオは東南アジアで2番目に安全指数が高い都市であると報告されているのです。

順位 国、都市名 安全指数
1 タイ、チェンマイ 77.76
2 ☆フィリピン、ダバオ☆ 71.92
シンガポール、シンガポール 69.43
4 ベトナム、ハノイ 61.75
5 マレーシア、ペナン 60.76
6 フィリピン、マカティ 58.96
7 バンコク、タイ 58.83
8 フィリピン、イロイロ 55.3
9 マレーシア、クチン 54.32
10 インドネシア、バリ 53.81

東南アジア各都市の安全指数ランキングトップ10(NUMBEOのサイトを参考に作成)

 

上記の図からもわかるように、ダバオは東南アジアの中でもバツグンに治安がいい都市として認知されています。しかしNUMBEOは、国による犯罪の基準が異なるため、この安全指数を国と国で比較するのは適していないと述べています。そのため、東南アジアで2番目に治安がいい、というのはふさわしくないかもしれませんが、フィリピンで最も治安がいい、ということを証明する一つの材料となるかと思います。

 

第6位には、マニラ近郊のマカティが58.96でランクインしています。マカティはマニラのすぐ近くにある都市で、治安がいいことから日本人の駐在員が多く住んでいる地域ですが、安全指数においてはダバオと大きな開きがあります。ちなみにマニラの安全指数は35.63と低い値になっています。

 

 

ダバオの治安は本当にいいの?客観と主観による評価

では、ダバオの治安は本当に良いのでしょうか。ここでは、ダバオに関するさらなるデータを紹介するとともに、ダバオに1年以上住む私の感想を紹介します。

 

ダバオの治安に関する統計的データ【客観的推測】

ダバオ市警察によると、2019年上半期の犯罪件数は2,311件で、2015年の6,869件から66%の減少がみられたとのこと(参照)。ちなみに、2016年初頭に発表されたNUMBEOの安全指数のデータでは、2016年にダバオは東南アジア第4位にランクインしています。つまり、すでに治安がよかったダバオの犯罪件数が、近年さらに減少しているといえるのです。

 

また、NUMBEOでは、ダバオ市とセブ市の比較を行うことができます。このデータを見ても、フィリピンの他の都市と比べ、ダバオの治安の良さがわかるかと思います。

※下2つの安全さは数値が高いほうが安全。その他は数値が低いほうが安全

セブ ダバオ
犯罪のレベル 中程度 55.05 低い 27.05
過去3年間での犯罪の増加 中程度 55.76 低い 26.05
住宅への強盗の心配 中程度 51.76 低い 33.79
強盗の心配 中程度 54.08 低い 31.46
車を盗まれる心配 低い 38.86 低い 26.58
傷害事件への心配 中程度 48.42 低い 28.94
侮辱に関する心配 中程度 40.93 低い 26.24
肌の色、民族、性別、宗教などにより、身体的攻撃を受ける心配 低い 32.24 低い 21.42
薬物の使用または取引に関する問題 最高 64.91 低い 33.97
不動産の破壊行為や盗難などの問題 中程度 57.24 低い 33.82
暴行や武装強盗などの暴力犯罪 中程度 52.82 低い 29.20
賄賂等に関する問題 最高 69.69 低い 31.86
日中一人で歩く安全さ 高い 66.97 非常に高い 81.29
夜間一人で歩く安全さ 中程度 43.01 高い 74.14
更新日時: 2020年3月 2020年4月

NUMBEOによるセブ市とダバオ市の比較(参照

 

これらの数値からも、ダバオがフィリピンの中で非常に治安のよい都市であることがお分かりいただけるかと思います。(ただし、東京の安全指数はもっと高いです)

 

ダバオの治安に関する私やその他の人の感想【主観的推測】

では、ダバオに住んでいる私の主観としてはどうなのでしょうか。

 

以前の記事にも書きましたが(参照)、実は私、コロナ詐欺ともいえる窃盗を一度経験しました。
フィリピンの乗り物「ジプニー」に乗っているときに財布を盗まれてしまったんですね。

 

ということで、100%安全で、100%治安がいいとは言い切れないのですが、私が経験した問題は1年間でそれだけです。それ以外は、危ない感じの雰囲気にすら出くわしたことはありません。財布が盗まれてしまったのも、それだけ安心できる都市であるからという気のゆるみがあったのだと思います。

 

今年1月、日本から友達が遊びに来てくれました。その友達は、フィリピン=治安が悪いと考えていたため、かなり気を引き締めてやってきたのですが、一人で街中を歩いていても、夜にバー巡りをしていても全く危険な場所がなく、ここは本当にフィリピンなのか、と言いながら帰っていきました。

 

ダバオには、日本で定年退職をしたのちに移住したり、時間を見つけて長期滞在を楽しむ年配の方が多くいるのですが、なぜダバオにしたのかと聞くと、皆口をそろえて、治安のよさ人のよさだと答えます。フィリピンの様々な都市で生活をしたのち、最後の選んだのがダバオだったようです。

実は私は、フィリピンのことをめちゃくちゃよく知っているというわけではなく、ダバオのことしか知らないような状態です。しかし、ダバオに永住している人の話を聞いていると、やはりダバオは治安と人がすばらしく、独特な都市なんだなと考えさせられます。

 

 

ダバオの治安がいいのはなぜ?【理由を探る】

実はダバオを含むミンダナオ島は、以前は治安の悪い島として有名でした。ダバオはフィリピンの中でも最悪の治安の都市と呼ばれていたのです。驚きですね。では、なぜこれほどまで治安がいいといわれる都市になったのでしょうか。

 

その理由はとっても簡単!ある方がダバオ市長になったからです。知っていますか?そうです。現フィリピン大統領であるロドリゴ・ドゥテルテ氏です。

 

ドゥテルテ大統領というと、最近のコロナ関連での発言「逆らうやつは射殺しろ!」が話題になっていますが(これは大統領の表現の1つです)、ドゥテルテ大統領は「麻薬撲滅」を公約に掲げ、フィリピン全体の治安を非常に良くした大統領としてフィリピン国内で非常に人気があります。

 

このドゥテルテ氏がバリバリだったころ、ダバオ市長をなんと計21年間も務めたのです。そしてドゥテルテ元市長は、少し強引ともいえる方法でダバオの治安を劇的に改善させました。最悪な治安の都市が、最高の治安の都市になったのです。

 

ただ、治安改善は多少強引な方法でもあったため、多くの敵を作ることにもつながりました。ただ、治安が悪いといわれていたダバオでも、多くの市民はもちろん治安のよいダバオを求めていました。そのため、ダバオの治安を大きく改善したドゥテルテ氏へのダバオ市民の支持率は非常に高いものがあるのです。

 

 

ダバオの治安を維持するための各種取り組み

最後に、ダバオ市が治安を維持するために行っている取り組みを紹介します。

 

タクシーのぼったくり禁止

フィリピンをよく知る人であれば驚くと思います。ダバオでは、タクシーのぼったくりが一切ありません。タクシーに乗ると、当たり前のように運転手がメーターを動かすため、タクシー内で言い争いをする必要はありません。ダバオに1年以上いますが、タクシーのメーター利用率は100%。1ペソ単位でおつりが返ってきます。

 

というのも、タクシーのぼったくりを政府が厳しく禁止したんですね。もしタクシー運転手がこれに逆らってしまうと、処罰を受けるのに加え、職を失います。そしていつの間にか、タクシーのメーターを回すことがダバオの当たり前になったのです。そのため、Grabアプリを使用しなくても、そこらへんにいるタクシーを捕まえればOKです。移動時のストレスがないのは、とても素晴らしいですね(当たり前ですが)。

 

屋外喫煙の取り締まり

喫煙について厳しい取り締まりがあります。たばこが治安を悪くする可能性があることに注目し、一部の喫煙可能スポット以外での喫煙を完全に禁止しました。レストランなどやバーでも喫煙ができないほど、たばこに対する規制は非常に厳しいです。もし違反すると、以下のペナルティがあります。

・1回目:1,000ペソの罰金または1ヶ月の懲役またはその両方
・2回目:2,500ペソの罰金または2ヶ月の懲役またはその両方
・3回目:5,000ペソの罰金または4ヶ月の懲役またはその両方

 

ただ、たばこを完全に禁止しているのではありません。あくまでも、ルールを守ったうえでたばこをするように要求しているのです。ただ、このルールを知らずにダバオに来た喫煙家は、たばこを吸えないことに対してストレスを抱える人も多いようです。近年では、世界各地で公共の場での禁煙が進んでいますが、ダバオは世界に先駆けて喫煙ルールの徹底を行った都市といえます。

 

屋外での飲酒の禁止

ダバオ市は、屋外での飲酒も禁止しています。そのため、道端でお酒を飲んだり、店外でお酒を飲んだりしている人はいません。ただ、フードフェスティバルの際には、会場内であればお酒を飲むことはOKです。また、深夜1時から朝8時まではお酒の販売が禁止されています。そのため、朝まで遊ぶというのはダバオでは基本できません。

 

その他の要因

その他にも、フィリピンの名物の1つでもある花火や爆竹も禁止されています。また、横断歩道以外の道路横断も禁止ですね。
また、スーパーやモールの入り口では荷物検査が行われ、町のいたるところにピストルを持った警備員が待機し街の治安を守っています。

 

そして、この治安のよい都市で育った人たちは、心がきれいな人が多いです。ダバオ市民はとっても親切で、少しシャイですが、何かあればみんなが助けてくれます。そして、そんな人々が大人になって子供を産んで・・・そんな連鎖が起こっているため、ダバオは現在、非常に治安のよい都市になっているのです。

 

※ちなみに、彼女に、なぜダバオは治安がいいの?と聞いてみたところ、政府がしっかりとルールを作り、そのルールがしっかりと機能しているため、みなが政府を尊敬している。政府がいい行いをしているから、市民もそれに従っているのよ、とのことでした。こんなこと、日本でも言ってみたいですね…涙

 

 

ダバオで気を付けるべきこと

そんな治安のいいダバオでも、もちろん悪さを考える人もいます。実際、私は1度財布を盗まれましたし、犯罪が0というわけではありません。どこの都市にも、悪いことを考える人はいるのです。

 

特に、財布をポケットなどに入れて歩いたり、カバンを開けっぱなしにしたまま持ち運んだり、貴重品を置きっぱなしにしたままトイレに行ったりなど…日本でも気を付けたほうがいいことは、当然ダバオでも気を付ける必要があります。

 

また、バーやクラブなどは、何らかの問題が起きやすい場所でもあります。お酒の飲みすぎにも注意したいところですね。

 

2016年9月2日、ダバオで人気の夜市である「ロハスマーケット」にて、爆弾事件が発生しました。死者が出る悲しい事件でしたが、ここ数年でダバオで発生した大きな事件はこれぐらいかと思います。この事件を受け、持ち物検査をより強固なものにしたため、今ではより安全になっています。この事件によって、ダバオは危険だ!と考える人もいるようですが、残念ながら、世界中のどこでも、同じような事件は起こりますよね。

 

 

終わりに

ダバオの治安がいいといわれるゆえんがお分かりいただけましたか?ダバオは治安もよく、人も良く、きれいなビーチもあり、おいしいフルーツもたくさん!と、とても素晴らしい場所で、現在世界中から注目を集めています。

 

日本にはまだあまり知られていない都市ですが、今後日本人からも注目を集める日が来るかもしれませんね。ただ、ダバオの人々は、国際化が進むことを期待する一方、それによりダバオの治安が悪化したり、町や海が汚れたりするのを恐れています。それを理解したうえで、旅行者や移住者が適切な行動をとることが重要です。

 

もし、ダバオに興味のある方がおられましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。私にできることであればお手伝いしますので♪

最後まで読んでくださって、ありがとうございました!

https://worldnews2020.com/davao-1year

https://worldnews2020.com/philippines-work-free

 

投稿者 welovedavao

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