フィリピンに住んでいる方であれば、フィリピンの送金事情について調べたことがある人も多いと思います。
日本からフィリピンへの送金サービスは「レミット」と呼ばれます。現在様々な企業やアプリが参入し、ますます便利になってきています。しかし、その仕組みが少しややこしいこともあり、気になるけれども使ったことがない、という人が多いのが現状のようです。
そこで本記事では、フィリピンへの送金に関する基本事項と、送金(レミット)サービスごとの特徴について紹介します。
フィリピンへの送金サービス「レミット」とは?
フィリピンへの送金サービス「レミット」とは、日本の通貨「円」を、フィリピンの通貨「ペソ」として、フィリピンに届ける仕組みのことをいいます(その逆も可能です)。
通常、フィリピンでペソを使うためには、「お金の両替」と「お金の運搬」の2つが必要なのですが、その両方を一度に行ってくれる便利なサービスが送金(レミット)です。
送金サービス「レミット」を使うのはどんなとき?
送金サービス「レミット」を利用する主な場面は2つです。
1.日本の「円」をフィリピンに送り、自分自身で「ペソ」として受け取る。
2.日本の「円」をフィリピンに送り、他人が「ペソ」として受け取る。
1については、例えばフィリピンで不動産投資を購入したり、会社を作るために多くのフィリピンペソが必要になったりしたときが当てはまります。基本的には、日本円をフィリピンに持ち込み、手数料が安い両替所で両替してもいいのですが、日本からフィリピンへの現金の持ち込み額が(税関への申請がない場合は)100万円までと決まっていること、また大量のお金を持ち運ぶことに対し不安に思う人が多いことから、大きな額をフィリピンに持ち込む際には送金サービス(レミット)が役に立ちます。
2については、例えば日本で働いているフィリピン人がフィリピンに住む家族にお金を送りたいときや、日本人がフィリピン人の友達や恋人、親戚にお金を送りたいときに利用できます。現金を手渡しで渡すことは頻繁にはできないため、送金サービス(レミット)を利用し、お金を届けることになります。
送金サービス「レミット」の主な使い方・利用方法
送金サービス「レミット」の主な使い方・利用方法について紹介します。
1.送金会社の口座を開設する
2.送金金額、送金先を送金会社に伝える
3.送金額を送金会社の口座に振り込む
4.審査が行われ、問題がなければ送金先にお金が届く
5.フィリピンで受取人が指定の場所で受け取る(もしくは銀行に自動着金)
6.完了
というのが主な流れです。基本的にはどの会社を使ってもこの流れは同じですが、送金サービス(レミット)がオンラインでできたり、日本に窓口を持っていたり、便利なアプリを運営していたり、送付先(フィリピンでの受取先)が多様であったりなど、会社ごとに特徴を持っています。
また、最も大きな特徴は、送金にかかる「手数料」と「両替レート」です。この2つが、どの程度お得に送金できるかを決める1番の要因となります。会社ごとのこれらの特徴を十分に加味したうえで、送金会社を選択することが重要になります。
送金サービス「レミット」の両替手数料と両替レートについて
送金サービスは、日本からフィリピンまで直通でお金を届けてくれる非常に役立つサービスです。しかし、そのサービスを利用するためには、一定の金額を支払わなければならないのはごく当然のこと。
一般的には、「送金手数料」がサービスを使うための支払金となるのですが、送金に関して言えば、「両替レート」が大きく影響することを覚えておく必要があります。この2つを説明します。
送金手数料とは、日本円をフィリピンペソに両替し、フィリピンにまで届けるというサービスに対し支払うお金です。送金手数料は5000~10000円までは〇〇円、10001円から50000円までは〇〇円などと、送金金額によって決まっていることがほとんどです。この送金手数料が安い会社がお得に送金できるということになります。
もう一つ、とくに大きなお金を送金するときに重要になるのが「両替レート」です。例えば、日本円を10000円送りたい際、両替レートが「46.000」であれば、フィリピンには4600ペソが届き、両替レートが「46.500」であれば、フィリピンには4650ペソが届きます。送金額が小さい場合はそこまで気になりませんが、送金額が大きくなるにつれ、「両替レート」の重要性は増してきます。
例えば、何らかの事情で100万円を送金する場合、両替レートが「46.000」では46万ペソ、両替レートが「46.500」では46万5千ペソとなります。この5000ペソという違いは、日本円では10500円程度(現在のレート)。つまり、送金手数料以上に大きな要因になりうるということを覚えておいてください。
この送金にかかるお金、サービス内容、手軽さなどを考えたうえで利用する送金サービス「レミット」を選択するのが賢いやり方と言えるでしょう。
※ブログによっては、送金手数料のみで送金会社のランク付けをしているところもありますので、ご注意ください。
フィリピンへの送金に役立つおすすめレミットサービス5選
それでは、フィリピンの送金に役立つ送金サービス「レミット」5選を見ていきたいと思います。
Wise(旧トランスファーワイズ)
特徴
・世界最安値を誇る世界的に有名な送金サービス
・為替レート=交換レートのため、よりお得な送金が可能
・かかる費用は送金手数料のみ。総合的に最安値を実現
SBIレミット
特徴
・フィリピンへの特徴を広めた老舗レミット会社
・業界最低水準の手数料
・用途に合わせた多様な送金方法(特にオンラインでの送金が便利)
・ゆうちょと提携したレミットカード送金にも対応
・現在は口座作成のためにマイナンバー書類の提出が必要(海外在住者は例外あり)
送金手数料
送金額 | 手数料 |
---|---|
1 円 – 10,000 円 | 480 円 |
10,001 円 – 20,000 円 | 720 円 |
20,001 円 – 30,000 円 | 800 円 |
30,001 円 – 50,000 円 | 1,000 円 |
50,001 円 – 200,000 円 | 1,400 円 |
200,001 円 – 送金上限額※ | 1,500 円 |
「銀行口座受取」の送金上限額は100万円まで(参照)
※ 別途入金手数料がかかる場合あり(例:コンビニ振込、銀行振り込み等)
両替レート
0.459007(2019年12月23日15:00ごろ)
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フィリピンへの送金サービスを日本にも広めたことで知られるSBIレミットは、日本人がフィリピンに送金をする際に真っ先に思い浮かぶ送金会社の1つです。当初は送金手数料が低いことで有名になりましたが、今ではゆうちょと提携したサービスを展開するなど、日本人にとって非常に使いやすいサービスに成長しています。また、会社が日本にあるため、何か困った際には電話対応などのサービスが気軽に受けられることも安心材料の1つでしょう(ただし窓口での送金対応は行っていません)。
BDOレミット ジャパン
特徴
・フィリピン最大級の銀行「BDO」が運営
・フィリピン人に送金する際には信頼性◎
・送金サービス利用のためにいくつかの条件があるが、最短2時間での送金完了が可能
・フィリピンの会社であるため、受け取り方法が多様に準備されている
・東京の新宿に日本支社があり、窓口での対応も可
送金手数料
両替レート
0.459007(2019年12月23日15:00ごろ)
コメント
フィリピンの大手銀行会社「BDO」が手掛ける送金サービスです。BDOは、フィリピン最大級の銀行であることから、送金サービスについても信頼性はお墨付き。サービスを利用するためには、いくつかの手続きが必要になりますが、送金への信頼性は非常に高いものがあると考えてよいでしょう。BDO口座を持つフィリピン人への送金を考えている方は、候補になるサービスの1つです(BDO口座での受取以外にも様々な受け取り方法が準備されています)。
GCASHレミット
特徴
・フィリピン最大級のモバイルペイ「GCASH」が運営
・お金をスマートフォンでも受け取れる気軽さが人気
・アプリ利用による手数料の低さが魅力
・大きな金額ではなく、小さな金額の際には非常に役立つサービス
送金手数料
両替レート
0.4572(2019年12月23日15:00ごろ)
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フィリピンの大手通信会社「Globe」が運営するモバイルペイアプリ「GCASH」を利用した送金サービスです。最も特筆すべきは、受け取りの容易さ。アプリからアプリへ送金されるため、受け取り手が銀行や受取場所に確認に行くことなく即座に受け取れることから、特にフィリピンの地方に住む人々に人気の送金サービスです。送金・受け取りに関してはスマートフォンがあれば利用できるため、非常に簡単で、さらに手数料も安いのが魅力ですが、両替レートは他のサービスと比べると少し悪いので、大きな金額の送金には適さないと思いますが、一番簡単に送金できるのがこのGCASHレミットと言えるでしょう。
Western Union
特徴
・アメリカに拠点を持つ大手国際送金サービス会社
・日本からフィリピンだけでなく、世界各国への送金が可能
・最先端の技術を用いた多様な送金・受け取り方法の選択が可能
・口座を作らなくても、コンビニなどを利用して送金が可能
・両替レートがその時によって変わるため、よりよい条件での送金が可能
送金手数料・両替レート
サイトにて要確認 以下のサイトで送金手数料・両替レートを含んだ金額が確認できます。→こちら
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世界的に有名な国際送金サービスです。アメリカに拠点を置く会社ですが、日本での送金サービスも扱っているため、ウェブサイトは日本語で閲覧することが可能です。また、送金サービスの規模が巨大であることから、非常にお得な両替レートでの提供を可能にしており、手数料と両替レートを含んだ金額としては、4つのサービスの中でも最もお得という結果になりました(日によって異なる可能性があります)。フィリピンでは、Western Unionの店舗が増えてきていることからも、最も安く送金したいと考える際には、候補として挙がってくるサービスの1つと言えるでしょう。
私のレミット活用法:日本からフィリピンにお金を送るとき
終わりに
本記事では、フィリピンへの送金サービス「レミット」の説明と、フィリピンで利用できる送金サービスの詳細について紹介しました。最終的にどのサービスを利用するのかは、最終的に得られるお金とサービス利用の容易さ、安全性など、総合的に加味する必要があると思いますので、受け取り主とよく相談の上、決めていただければと思います。