フィリピンで生活していると、フィリピンの電化製品にはAVRを取り付けるべき!という話を聞くことがあるかと思います。

 

日本ではまったくなじみのない機器ですので、

・AVRとはそもそも何?

・AVRは必要?

・AVRを付けないと壊れるって聞いたけど本当?

 

などの疑問をお持ちの方も多いかと思います。

 

本記事では、それらの質問にできる限り答えていきたいと思います。

 

 

AVR(自動電圧調整器)とはそもそも何?

AVRとはそもそも何なのでしょうか。

AVRは、英語では”Automatic Voltage Regulator”と呼ばれ、日本語では「自動電圧調整器」と呼ばれるものです。

 

例えば、電化製品を利用する際、コンセントから電気をもらいます。その際、一定の電圧で電気が供給されるわけです。

 

例えば、日本であれば100V、フィリピンであれば220Vぐらいですね。

 

各国の電化製品は、国ごとの電圧に対応した形でできています。例えば、日本であれば100V前後の電圧に対応した製品が設計され、販売されてます。

フィリピンであれば、220V前後に対応した電化製品が製造され、販売されているのです。

 

AVRは、この電圧を一定の値に安定させる装置です。例えばフィリピンの場合、220Vといいながら、210Vの電圧だったり、230Vの電圧だったりします。異なる電圧が断続的にかかった場合、製品が壊れてしまう可能性があるのです。

 

AVRは、異なる電圧を一定に保ち、電化製品の寿命を延ばす働きをしてくれるのです。

 

 

なぜフィリピンではAVRが必要なのか?

日本では、電化製品にAVRを取り付ける必要はありません。それなのに、どうしてフィリピンの電化製品には、AVRが必要なんでしょうか?

 

日本では、コンセントから100Vの安定した電圧で電気が常時供給されています。また、電化製品の質も高いので、多少電圧の変化があったとしても、電化製品が壊れることはほぼありません。そのため、AVRは基本的には必要ありません。

 

しかし、フィリピンでは、AVRが必要になる事情があるのです。

その理由について説明します。

 

停電後の電圧変化に対応するため

まず一番大きな理由は、頻繁に起こる停電。

 

フィリピンに住んだことのある人ならわかると思いますが、フィリピンでは停電が頻繁に起こります。特に雨季である6月は多いですね。

 

停電すること自体は問題ないのですが、フィリピンでは停電した際、電化製品のコンセントを抜く、というのが常です。

なぜかというと、停電後に、異なる電圧によって電気が供給される場合があるからなんです。

 

例えば、停電前は220Vだったのに、停電が起き、再開された際には210Vの電圧で電気が供給される、という感じですね。

このように、異なる電圧が電化製品に加えられた際、場合によっては電化製品が壊れる可能性があるのです。

 

そのため、フィリピン人は停電が起きたら、コンセントをいったん抜きます。そして、電圧が安定した後、コンセントを再度差し戻すわけです。これは、高価な電化製品を利用している家庭にとっては必須の生活術といえます。場合によっては壊れてしまうので、危険を恐れてコンセントを抜くわけです。

 

しかしながら、AVRを取り付けておけば、停電後に異なる電圧で電気が供給されたとしても、AVRが自動で設定した電圧に設定してくれるため、電化製品には一定の電圧が加えられます。つまり、急に変な電圧がかかって壊れることがなくなります。

 

家を留守にすることが多い家庭では、検討する余地ありかもですね。

 

電化製品のクオリティが低い

日本の電化製品は、世界でも最高レベルのクオリティを誇ります。そのため、電化製品自体に、ある程度の電圧変化に対応できる仕組みがすでに取り付けられています。

 

しかしながら、フィリピンの電化製品は、電圧に対応できる仕組みが取り付けられていません。そのため、電圧の変化を、利用者の努力によって調節しなければならないわけです。

 

フィリピンの電化製品ショップの店員いわく、パナソニックやシャープなどの日本製であっても、フィリピンで売られている製品には、AVRの代わりとなる仕組みが取り付けられていないということです(本当かどうかはわかりません)。

 

そのため、電圧変化による電化製品の故障を防ぐためには、AVRを取り付けるか、停電後にコンセントを抜くかしないといけないわけです。

 

フィリピンでは、AVRは取り付けるべき?

AVRを取り付けるかどうかは、最終的には個人の判断となります。

実際、フィリピン人の家に行って冷蔵庫を見ても、AVRを利用している家庭はほとんどありません。

しかしながら、停電が起こったらコンセントを抜く、というのは、どこの家でも行っていることのようです。

 

AVRのメリットとしては、

・停電時などをはじめとした、急な電圧変化による電化製品の故障を防ぐ。

・電圧を一定に保つことで、電化製品の寿命を延ばす。

 

このように、メリットがあるといわれるAVRですが、多くの家庭が利用していない理由として・・・

・AVRの維持費がかかる

・AVRの製品代がかかる

・AVRが本当に必要かどうかわからない(というか、存在自体を多くのフィリピン人が知らない)

・コンセントを抜かなくても、電化製品が壊れないという事実がある

という感じです。

 

もし、AVRを設置せず、かつ停電時にコンセントを抜かなかった場合に電化製品が頻繁に壊れるのなら、フィリピン人の中にAVRがもっと浸透しているはずです。しかし、AVRの認知度自体が低い状態なのは、電化製品が壊れるという事例がそれほどないからなのではないかと思っています(あくまで推論です)。

そのため、AVRを購入するかどうかは、最終的には個人の判断によるかと思います。私は現在、新品で買った冷蔵庫に付けるかどうか、悩んでいる状態です。

 

私がフィリピンで経験したAVRに関する出来事

私がAVRについて詳しく調べたのは、フィリピンの電化製品ショップにて、冷蔵庫を購入したときにある出来事に遭遇したからでした。

私は引っ越しのとき、冷蔵庫を購入しました。約2万ペソのパナソニックの冷蔵庫です。日本で買えばもっと安いだろうと思いながらも、選択肢はあまりなく、購入を決定。

 

配送先を伝え、IDなどを示したのち、AVRの押し売りにあったわけです。サードパーティーを名乗る男性が現れ、AVRを購入しないと電化製品がすぐに壊れるぞ、と説明。私も彼女も、AVRが何なのかわからず、ポカーンとしていると、AVRについて詳しく教えてくれました。

その後、せっかく買ったこの製品を壊したくないのなら、AVRを購入すべきだ、と力説。最新のデジタルAVRが3200ペソだ、と。

 

しかし、彼女の家族に聞いても、AVRというものの存在を誰も知らない。私はAVRをネットで調べ、ラザダで価格帯を調べ、その結果、購入しないことに決めました。

 

その理由として、

・本当に必要な装置であれば、サードパーティでなく、店舗自体が販売しているはず

・基本放置の装置のため、デジタルである必要はなく、安いアナログを購入したほうが経済的

・彼女が在宅ワークのため、停電があったとしても対応できる

・コンドミニアム在住のため、予備のジェネレータが設置されている可能性もある(不明)

などです。

 

しかし、AVRの存在自体を否定しているのではなく、故障を防ぎ、製品を長持ちさせるという重要さは理解していますので、今後、安いものを購入する可能性は十分にあります。

AVRが必要な一番の理由は、「安定しない電圧」ですが、フィリピンでは、依然と比べれば安定してきたといわれています(フィリピン基準です)。

また、高性能の電化製品であれば、速攻で壊れることはあまりないという情報もあります(不確かです)。

これらの背景を踏まえたうえで、最終的に購入するかどうかは、個人の自由となりそうです。

 

終わりに

本記事では、日本人があまり聞きなれないAVR(自動電圧調整器)について説明しました。

フィリピンに住む方でも、AVRのこと自体知らない人も多いと思います(フィリピン人でさえ知らないのですから)。

しかし、もし、高価な電化製品を購入し、絶対に壊したくない、または、少しでも長く使いたいとお考えの方は、AVRの購入を検討するのもありかと思います。アナログ式の安いものであれば、ラザダで300ペソ程度で購入できますし、ホームセンターに行けば品物を見たうえで購入もできます。定員さんに相談してみるのもよいでしょう。

フィリピンのAVRについて調べている皆さんは、なかなかのフィリピン通かと思います。この記事がみなさんのお役に立てば幸いです。

投稿者 welovedavao

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