フィリピンの中でも10代の女性による出産が多いことで知られるダバオ。
では、出産のサポートが充実しているのかと言えば…なかなか情報が集められず、人々の口コミが中心というのが実際のところ。
そこで本記事では、ダバオで出産する際におすすめの病院やクリニック、出産にかかる費用などについて紹介します。
ダバオで出産できる場所
出産ができる場所、というのであれば、どこでもできます。たとえば自宅でも可能です。
しかし、基本的には次の2つの場所が候補になります。
•病院
•クリニック
この2つの1番の違いは、ドクターが処置するか、助産婦が処置するかです。病院では医師が対応し、クリニックでは助産師が対応します。
それぞれに特徴がありますので、別々に紹介します。
病院で出産する場合
病院には医師が滞在していますので、緊急時に医療行為が行えることが1番の特徴です。出産時には、帝王切開ですね。フィリピンでは帝王切開をCSと呼びます。
値段は、公立病院か私立病院かによって大きく異なります。 公立病院では非常に安い値段で出産できます。フィルヘルスというフィリピンの保険に入っていれば、ほぼ0円です。
しかし、値段は安いけれども、施設はイマイチというのが実情。部屋にベッドが所狭しと並べられ、看護師さんたちが忙しく作業します。
一方、私立病院では、きれいな部屋、きれいな設備を利用した出産が期待できます。また、いくらぐらいかかるのかは出産を終えるまでわからない、という病院も多いです。
日本人がイメージする病院というと、やはり私立病院ということになると思います。きれいさや、コスト、サポート体制などは病院によってバラバラですので、現地を確認しながら自分たちにあった病院を探すとよいでしょう。
ちなみに、コロナ前であれば、通常の出産で3万ペソ、帝王切開で10万ペソのような感じでしたが、コロナによってさまざまなものが値上がりし、病院の費用もかなりあがっています。従来の1.5倍から2倍は覚悟しておいたほうが良いでしょう。
また、病院によっては、通常出産ではなく、最初からCSを進めてくる医師もいます。というのも、CSの方が短時間で痛みが少なく、簡単に出産できるから。そんなこともあり、フィリピンでは、富裕層の一部はあえてCSを選ぶようです。また、病院によってはがっぽりとお金を儲ける手段の1つでもあります。
通常出産かCSか。どちらがよいかは人それぞれですが、できれば病院に行く前に決めておくといいかもしれませんね。
クリニックで出産をする場合
助産師さんの助けを借りて、クリニックで出産することもできます。その際の特徴は、通常出産しかできないということ。
医師がいませんので、CSによる出産はできません。通常出産で何か問題が生じ、CSが必要になる場合は病院に緊急搬送されます。
クリニックはフィルヘルスに入っていれば無料というところも多く、またサポートも充実しているため、安く快適に出産するのに適しています。
しかし、クリニックによっては施設が老朽化していたり、妊婦が多すぎて時間がかかったりすることもあります。
そのため、どのクリニックを使用するかは、自分の判断で実施することをおすすめします。
ダバオで人気の病院やクリニック
では、ダバオで出産をするとしたら、どの病院やクリニックを利用するとよいのでしょうか?私が得た情報をまとめます。場所情報についてはGoogleマップで打ち込めば出てきますので、今回は掲載しません。すみません。
SPMC
ダバオで唯一の公立病院です。公立ということもあり、ゼロ円に近い格安価格での出産ができます。また、CSになったとしてもそれほどお金はかからないようですので、お金はないけれどCSをする必要がある、という人は検討するとよいでしょう。
ブローケンシャー病院
ダバオにある大型の私立病院です。ブローケンシャーといえば出産、と考える人が多いくらい、出産に力を入れている病院です。他の私立病院と比べると、総合的な費用は少し安くなるかと思います。事前に契約する出産パッケージを利用すれば、部屋代や最低限のサポートがセットになったものを予約することができます。ただし、医師の診察費や処置代など、さまざまな金額が追加されるため、値段はパッケージから大きく跳ね上がるようです。
そのほかの私立病院
・ダバオドクターズ ・DMSF ・サンペドロホスピタル ・MDMRC これらの病院でも出産の対応をしてくれます。興味があれば問い合わせてみてください。
近くのクリニック
家の近くにクリニックがある方はラッキーです。一度そのクリニックを見学し、施設内の様子やサポート体制について確認しましょう。もしそのクリニックがいいと思えば、そこを利用するのが一番ストレスない方法かもしれません。
Mercy Maternity Center Ministry
ダバオ人の中で高い評価を得ているクリニックがMercy Maternity Center Ministryです。アメリカ人リーダーと複数人のアメリカ人助産師、フィリピン人助産師で運営されているクリニックです。通常出産に特化したクリニックで、これまでさまざまな年齢、タイプの人々の出産に立ち会ってきました。フィルヘルスに入っていれば、費用がほとんど無料なのもうれしいところ。 もし、よいクリニックが見つからなければ、真っ先に検討するとよいクリニックといえます。
Happy Moms Medical Clinic
ダバオでは数少ない、オンラインの情報が充実しているクリニックです。Facebookを確認することで、利用者の様子やサービスの内容、診察時間や曜日、新規ルールなどが確認できます。フィリピンでは、いざ病院にいったらいろいろとルールを言われ、仕方なく帰るということが頻繁に起こります。このクリニックのように、ネットだけで全体像がわかるというクリニックは非常にまれのため、紹介しておきます。
ダバオで出産する際に気をつけること
最後に、ダバオで出産する際に気をつけることについて紹介します。これはダバオに限ったことなのか、もしくはフィリピン全体に対応するのかはわかりません。また、病院ごとに違うこともご理解ください。
値段がかなり違う、値段のイメージができない
日本では、出産費用に「相場」がありますが、ダバオでの出産費用は病院によってかなり違います。 公的保険のフィルヘルスに入っていればゼロ円、という場所もあれば、フィルヘルスや任意保険を利用しても10万ペソ以上かかるところもあるなど、さまざまです。 費用とサービスをしっかりと見比べ、自分たちに適した出産場所を見つけてください。
安全に生むことを重視するか、もしくは自然な出産を重視するか
イメージとして、病院は安全に出産する場所、クリニックは自然に出産をする場所というイメージです。 そのため、病院では妊婦や赤ちゃんの命を第一に考えた上での最適な処置がされます。一方、妊婦の思いはそれほど大切にはしてもらえません。 その一方、クリニックは妊婦の心に沿ったサポートが特徴ですが、緊急時に弱いというデメリットもあります。 どちらを選ぶかは、しっかりと話し合って決めるとよいでしょう。
夫の付き添いを希望する場合はクリニック一択?
フィリピンでは日本のように、夫が立ち会っての出産は一般的ではありません。もしこの方法を望むのであれば、立ち会い出産に対応している病院やクリニックを探す必要があります。 ダバオの場合、ほとんどの病院が立ち会い出産に対応していないため、立ち会い出産希望であればクリニックが候補となります。
出産に必要なアイテムは早めの準備を
ダバオのクリニックはいつも満員で、毎日多くの赤ちゃんが誕生している一方で、出産に必要な道具やアイテムの品揃えはあまりよくありません。 日本の赤ちゃんグッズ、妊婦グッズ専門店は少なく、モールの中に入っているお店はなかなかの値段がします。 そのため、必要なアイテムは早め早めに集めることをおすすめします。 よいものが見つからない場合、フィリピンの通販であるLazadaやShopeeを活用するのもよいでしょう。 出産後に急いでアイテムを探そうとしても手に入らないこともありますので、計画的に進めてくださいね。
パートナーとよく話し合って、最良の手段を♪
私は妻の出産のためにさまざまな病院、クリニックに付き添い、話を聞いてきましたが、病院やクリニックによってかなりバラバラです。 病院によっては、「すべての資産金額と現在の月収を提出してください。それに合わせた最適なパッケージを作成します」という意味不明の対応をされた場所もあり、少し残念に思ったこともあります。 しかし、出産場所はいつか決めなければならない重要なことですので、パートナーとよく話し合い、何を重視するのかという観点のもとから最終的な決定をするとよいでしょう。 出産という一大イベントを乗り越え、よりよいパートナーの関係を築けることを願っております。